日本銀行券(お札)は、日本政府(日本銀行)が発行した借用証書である。
日本政府が一般銀行から借金をしないと、お金は生まれない。
「法定通貨」とは、政府が借金の返済を保証した借用証書である。
通貨として通用する為には、次の3つの機能が備わっていることが条件とされる。
この紙きれ等と引き換えに、
①モノやサービスと交換出来るということ。
②長期間、保存がきくこと。
③価値が計測できること。
この、紙きれ等についての、国民の共通認識・信用保証という目に見えない情報、貸し借りの記録、これが「お金」というモノの基本的理解である。
こういう共通認識(大部分、無意識)が世界中の人々にあるから、その国の通貨は発行できているのであろう。
ということは、信用保証という情報を他人に与えることが出来れば、個人でも通貨を発行出来るようになる。
従来、アイデアだけはあったのだが、それを実現する手段が無かった。
信用という情報を他人に与える手段は、相当に難しい。
ところが近年、ブロックチェーンの技術の進歩によって、個人でも通貨を発行できるようになった。(注2)
日本においては、「仮想通貨」= 投機対象と見なされ、危ないものというイメージが強い。
「暗号通貨」、「デジタル通貨」という呼び方の方が、流通するにあたっては、一般ウケしそうな気もするのだが。
最近行われたG20の会議では「暗号資産」(Crypto Asset)という呼び名で世界的に統一することになったそうだが。
通貨の発行は、技術的には可能でも、実際面においては、個人では難しいだろう。
国中の人に信頼させるのは、ほとんど不可能に近い。
江戸時代、江戸幕府が発行した通貨以外に、地方の各藩が発行した「藩札」という通貨があった。
今の時代、地方公共団体が発行する仮想通貨(電子データ)があってもいいのではないだろうか。
そこには行政データが含まれており、煩雑な行政手続きが簡素化するなどのメリットがあれば、仮想通貨も普及するのではないだろうか。
将来的には、人間の恣意性が入る「法定通貨」よりも、AIに代表されるテクノロジーが管理する「暗号通貨」、「デジタル通貨」の方が信用される時代が来るのかもしれません。
将来、「ブロックチェーン」の技術は、お金の価値よりも、人間の持つ信用性をより重視する考え方を普及させるだろう。
現時点では、「ブロックチェーン」の技術では、中国が世界で一番進んでいるようであるが、コロナウィルス騒動で信用を落としたので「デジタル人民元」の先行きは不透明である。
それにしても、テクノロジーを進歩させるエネルギー・人間を超える原動力は一体どこから来るのだろうか。
(注) ひと昔前には、この種の議論はタブーとされ、大衆の前に公開することはなかったのだが。
(注2) 現実問題としては、ブロックチェーンの技術は通貨の使用には向かないという議論もある。
いつのまにか、この動画は削除されてしまったようだ。
そしたら、いつの間にか、復活していた!
何が具合が悪かったのだろうか?
ひと昔前は、この種の議論はタブー視されていたからだろうか?
YouTubeによる言論規制と言えないだろうか。