調べていくうち、分かったことだが、銚子に伝わる晴明伝説は「 延命姫との伝説」だけではなかった。
銚子市忍(しのび)町に伝わる伝説を、いくつか紹介すると。
(ちなみに、これらの事物は、かつては存在していたようだが、 今は現存していない。)
鏡の井(晴明井戸)
晴明が掘ったと伝えられている。
(それぐらい水が澄んで見えた、という意味であろう)
三人三角(晴明さんまい(散埋?))
「三埋(さんまい)は死屍三人を埋めて、 晴明が地祭りしたところ」と「海上郡誌」にも記載されている。
土地の古老は、ここに死者を埋葬すると、 翌日には遺骸がなくなり、いつ次の埋葬者が出ても、 場所に困らないという。
別名「三間三角(さんげんさんかく)」とも呼び、 三角形の形をしていたという。
晴明橋
晴明が作った石橋と言われ、 くぐると幸福になると伝えられている。
これらの伝承は、概ね、 安倍晴明に対して尊敬の念を持って伝えられている。
このことは、何を意味しているのであろうか?
伝説とは言っても、多分にフィクションが含まれている可能性がある。
安倍晴明について実像が捉えられていないから、評価も分かれているのではないのか。
そうだとすれば、全国的に定着している評価に重きを置いた方が良いように思える。
全国的に定着している評価は「畏怖される安倍晴明」像である。
これに従った評価をした方が良いように思える。
一方、「延命姫との伝説」には、良くも悪くも「銚子人の気質」というものが影響しているのではないのか?と感じるのは私だけではない筈である。
いわゆる「銚子人の気質」については、項を変えて述べるつもりです。
ミュージカルで上演された際、延命姫の上の空間に現れた通漣洞(昭和30年頃、海水の侵蝕で消えたはず。昭和52年のミュージカルの舞台に現れた。)
心霊写真とおぼしきもの。(「銚子娘道成寺」田中幸次郎著より)