隠された<銚子の安倍晴明 >

隠された<社会_政治の裏側>・霊的な事柄を考える

基本的には、勉強のモチベーションの向上の為に、このブログを利用しています。 _ 数年前から、国際社会は現代型の”情報戦を主体”にした戦争状態にあります。 _ 今の時代は、新しい地球社会に向けての過渡期にある、と言えます。 _ ところで、西洋占星術的には、情報や霊性等が風のように流れ入る「水瓶座・風の時代」に移行していることが、2020年末からは顕著に表れているそうです。

平安期の2時間ドラマ「銚子娘道成寺」本編(その1)

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晴明は、忍村を後にして、垣根村の根本右兵衛義貞の邸に向かう。
太夫三を仲介に、忍の岸から舟で移動した。
(対岸は常陸国鹿島郡谷田部村、また遠く銚子の川口も遠望できたようだ。
後に、延命姫に追われ、晴明は逃げることになるが、利根川を舟で渡るという発想は、このときの風景が頭の中に残っていたからではないだろうか。)
 
根本右兵衛義貞は、「海上長者」と言われている。
海上長者」とは、海上郡随一の富者という意味である。
当時、本城の地に小さな城も持っていたようである。
事件後、根本右兵衛は剃髪し、邸跡は長者山仁王尊というお寺になっている。
 
さて、根本右兵衛には、延命姫という一人娘がいる。
いよいよ、晴明との運命の出会いの場面となりそうであるが、正式には、晴明と延命姫とは会っていないのである。
玄関先の隙間から、延命姫が覗き見しただけ。
 
「日本名勝地誌」の「明神様」の一節にはこうある。
「・・延命姫容貌甚だ醜悪、嘗て安倍晴明を窺ひ見て眷恋やまず・・」
 
[一方、「紀州道成寺」ではどうだろうか。
清姫が、安珍を玄関先に出迎え、その時に一目惚れしている。
美男美女、運命の出会い。
この時、安珍26歳、清姫16歳。
此方の方が、恋愛物語りとしては華々しいし、上々のすべりだしである。]
 
延命姫と晴明との、あいだに立ったのが、乳母のかよである。
延命姫の思いを家人から知らされた、かよは、一計を案じます。
この時、晴明は46才、延命姫26才。
(マァー、この年齢でも許容範囲かなぁ。現代でも時々聞くからなぁ。)
(延命姫の26才は、昔の人の感覚からすれば、「適齢期は、とうに過ぎた」だったのだろう。だから、かよも焦ったのだろうか?)
(この時、晴明には、妻子はいなかったのだろうか?当時の社会では、一人の男性が複数の女性を持つことは普通だったので、周りの人も問題視しなかったのだろうか?)
かよに手引きされて、姫は晴明の寝屋に忍び込むのである。
酒を飲んで朦朧とした意識のまま、晴明は一夜を共に過ごすことになる。
 
(ここから先の、晴明の行動は不可解なものであるが、ドラマの展開上での役柄を演じたものと解釈される。)
翌朝、姫のアザを見て、晴明は、乳母にのせられてしまった昨晩の行為を後悔する。
かよ→夫→太夫三→義貞へとその話は伝わり、結局、晴明は結婚話を承諾する。
(晴明は、心中では違うことを考えていたので、後に、多くの人を裏切ることになる。
唐突のようだが、ここで戦国の武将「明智光秀」の事を連想してしまう。光秀は「婚約」という大義を重視し、アザのある姉の方と結婚する。)
 
白神明神(川口神社)縁起には、簡単に、(漢文体で)こう書かれている。
「・・太夫申立姫晴明夫婦縁揺作・・」
 
晴明は、朝も暗い内に、邸をこっそり抜け出し逃げる。
向かった先は、利根川に架かる、今宮の船着場である。
(現在の「カッパハウス・妖怪博物館」の眼の前の渡船場跡付近)
海上長者の影響が及ばない地、対岸の常陸国波崎に逃げようとしたのである。
 
注 「帝都物語」(荒俣宏 著)という小説の中で、「吾妻花相馬内裡」と題された狂言が取り上げられている。
平将門の娘と安倍晴明との、いわば色悶着を描いているが、延命姫との色悶着を連想させる。
 

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延命姫 長者山仁王尊 保存 (「銚子娘道成寺」より)

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